小さな暮らしの畑屋さん

地球といういのち溢れる星に生まれた喜びを、日々の暮らしの中で感じられるような、小さな畑のある暮らしを提案しています。

土作りにはどのくらい時間がかかるのか。短縮するにはどうしたら良いのか。その②

f:id:notefarm-kagoshima:20161216165158j:plain

 

前回の続きです。

前回の記事はこちら。

notefarm-kagoshima.hatenablog.com

 

何に時間がかかるのか。

土作りがされる間に何が起きているのか、何に時間がかかるのかというと

①腐植が作られ、蓄えられる時間→枯れ草、落ち葉、虫の死骸が積み重なり、微生物に分解され、それが腐植となり、それが土壌生物によって土の中で撹拌される。腐植についてはwikiを参照。

腐植土 - Wikipedia

 

②土が団粒化するまでの時間→①の腐植と大きく関係してきますが、微生物が有機物を分解する過程で、土の団粒化が進みます。またはミミズがこの団粒化した土をじゃんじゃん作ります。団粒化が進むことで、水はけがよくなる、水持ちがよくなる、微生物が住みやすい環境が作られる、保肥性が高まる、通気性がよくなるなどの野菜が育ちやすい様々な環境が整えられます。

こちらの方のページが分かりやすいですね。

ymmfarm.com

 

③菌糸ネットワークが形成される時間→野菜の根、野草の根に共生するエンドファイトが土中に増え、そのネットワークが形成される。野菜がそこで健康に育ちやすい土壌環境となる。(人間でいう腸内環境みたいなやつだと思われる)

 

④生態系のバランス調整にかかる時間→人間のコミュニティも時間をかけて調整され、少しずつ落ち着いていくように、畑の中の生態系においても、様々な生き物がその循環の中で自立していきられる環境が整うまで、紆余曲折を経る時間がかかる。

↓参考記事

notefarm-kagoshima.hatenablog.com

 

⑤野菜に適した植生にまで変化する時間→下の参考記事に詳しく書いていますが、植生が遷移していく過程で、だんだんと野菜が育ちやすい環境に移り変わっていきます。
自然界では土を豊かにしていく過程(森になる過程)は、必ずステップを踏みながら進んでいきます。一足飛びには進んでいきません。その段階で必要な草がそこに生えます。時間をかけて土壌環境、地上の生態環境共に野菜に適した環境に推移していきますので、その段階をキープしていくのが自然農の畑なのではないかと考えています。

↓参考記事

notefarm-kagoshima.hatenablog.com

 



僕が思いつく限りでは、これらの5つのことに時間がかかっているのではないかと思っています。

まずは土作りの段階で、以上のようなことが畑で行われているのだと、知っているのだけでも大違いだと思います。

最初始めたばかりの方は、理想の状態だけを想い描いて始めると思いますので、どのようにステップを踏みながら進んでいくのかが分からず、なかなか理想の状態にならないでいると、どうしても不安になると思います。

 

 

そして、さらにこれらのことを勘案した上で、次回はこの土作りを効率的に進めるにはどうしたら良いか、土作りを進めつつも早く野菜ができる状態にするにはどうしたら良いか、今の時点での情報や考えをまとめてみたいと思います。