ウリ科野菜を大天敵であるウリ葉虫(ウリバエ)に思う存分食べさせたところ。。。
こちらは畑の寺子屋の自然農コースの畑に植えているきゅうり(阿蘇地這胡瓜)です。
こちらは自然農1年目の畑ですので、草・虫・微生物の種類、数ともに少なく、土もあまりできていません。
(一般的にどんな野菜でも作れるようになるまでには、土づくり・生態系づくりに4〜5年かかると言われています)
4月末に植え付けて5月中旬ごろまでは、ほとんど大きくなりませんでした。
特にウリ科の野菜は「ウリ葉虫」にほとんどの葉っぱを食べられてしまい、もうそのまま消滅してしまうんじゃないかと思ったほどです。
正確には同じ株の写真ではないですが、イメージとしてこんな感じですっごく小さく、葉っぱもほぼ食べられていました。
こういう光景は自然農初期においてはよくあることなんですが、やっぱりそんな姿を見るものは胸が痛むところがあります。
ウリ葉虫対策は四方をビニールで囲んで飛来を防ぐ行灯を設置するなど、農薬を使わずとも対策も可能です。
ただこういう問題が起きたときほど、目をそらさずにきちんと観察していると実は面白い現象が起こったりします。
時間をかけて経過を見守るのは、なかなか忍耐力がいりますが、自然界の働きを学ぶチャンスでもありますので、あえてウリ葉虫対策はせずにそのままにしておきました。
手で取ったりとか、他の場所に移したりとかも特にしませんでした。
(ただいつもその野菜の悪い部分だけではなく、良い部分に意識を向けるということは常に心がけてはいます。僕は植物とのコミュニケーションにおいて、そこがとても大切なことで、野菜を育てる上で私たちの重要な役割だと考えています。)
そしてしばらくすると。。。
ほんとに不思議なことに、5月中旬あたりからウリ葉虫が少なくなり、いてもなぜか葉っぱが食べられなくなり、色艶も見事に健康的な色になって成長しだしました。
葉や花の形もとてもきれいです。
あ〜ほんとに嬉しい〜。
自然農をしているとこういう復活劇にときたまでくわします。
ほんと自然ておもしろい。
ちなみに同じウリ科のズッキーニもこの写真以上に小さくて、葉っぱがぼろぼろに食べられていましたが、、、
こんなに見事な姿になりました。
もちろん理想的な大きさとは言えませんが、一時期はほんともうダメかと本気で思っただけに嬉しかったです。
ほんと小さいままだったとかいうレベルではなく、葉っぱがほとんどなく消滅しかけていましたから〜。
ここからどの程度大きくなるか楽しみです。
ちなみに自然農3年目の畑(小さな畑ワークショップの圃場)は、ウリ葉虫はたくさんいましたが、ここははじめからほとんど葉っぱを食べられることなく、すぐにすくすくと成長していました。
畑の様子を見ていると確かに野菜が虫に食べられるときは、不健康そうな株が優先的に食べられています。
栄養が足りてないというときだけでなく、逆に過剰に栄養をとっているときも食べられやすいです。
野菜が健康的に育っていると、野菜自体も本来は自分の身を守る術を知っているはずなので、あまり食べられないのかもしれません。
また単純にそれだけでなく、生態系のバランスがとれていることで、過剰にウリ葉虫が増えるということがなかったり、他にも食べる植物があるため、野菜が集中的に食べられていないということもありそうです。
野菜は健康的な個体の子孫を優先的に残そうとします。
そこで、あえて不健康な個体は虫に食べられることで、その糞が土の栄養になり、他のより健康的な個体が成長しやすいようにしているのかもしれません。
もしくは先に自分自身がある程度虫に食べられることで、土を肥やしたのちに、そこから復活することで、より健康的な種子を残すという戦略なのかもしれません。
まあでもほんとのところはよくわかりません。
ただ、ひとつ言えることは、「すべてのことには意味があり、畑が全体として豊かになるためにすべてベストな出来事が起こっている」ということでしょう。
その意味では自然農を行う大前提は「自然界・世界への信頼」なのかもしれませんね〜
今回は、以上です。
お読みいただきありがとうございました。
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