小さな暮らしの畑屋さん

地球といういのち溢れる星に生まれた喜びを、日々の暮らしの中で感じられるような、小さな畑のある暮らしを提案しています。

土作りにはどれくらい時間がかかるのか。短縮するにはどうするか。その①

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自然な形で、つまり化学肥料などを用いずに野菜づくりを始めた際に大きな壁の一つとなるのが、「土づくり」にかかる時間だと思います。

 

なぜなら野菜づくり初心者の人が、一年目からある程度野菜が採れないと、面白くなくて続かなかったりやめてしまったりするから。

やはり人の手あってこその畑であり、人の意識が通うからこそ野菜たちも元気に育つので、モチベーションは大切です。

 

化学肥料などの即効性のある肥料を使う場合は、特に野菜が大きくするための時間はさほどかからないと思いますが(質や持続性の問題は別として)、そうでない場合、満足な野菜ができるまでには結構な時間がかかると言われています。

 

十分によくできた土とはどういう状態か

個人的には、一般家庭で食べるほとんどの野菜が十分に収穫できるレベルまでなったらと思っています。

特に一般的に肥料なしでは作れないと言われている茄子、きゅうり、トマト、ピーマン、キャベツ、白菜、玉ねぎあたりが満足にできるレベルであれば十分と言えるのではないでしょうか。

僕が研修を受けていたところは、二十年以上自然農でされていたところですが、僕ら素人が管理していても、これらの野菜が十分にできてしまうような土でした。

少量の油粕や米ぬかを時々補う程度でできていました。

 

普通の農業であれば、これらの野菜は必ず作る前に堆肥を入れないとできません。

作物にもよるし、農家さんによっても全然違いますが、一般的には一年に10a(1000㎡)あたりに2tの堆肥と言われています。

 

 

 

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土ができるまでどれくらいかかるのか。

土ができるまでの時間は、当然ですが、もともとのそこの土の状態で全然変わってきます。
耕作放棄地なのか、化学肥料などを使っていたのか、肥料をどれだけ使っていたのか、土質、水はけはどうなのか。

 

一般的に自然農では、十分な土ができるまでに4~5年はかかると言われています。

これは土の中に何も入れず、畝の上から油粕、米ぬかをたまに薄くまき、そこに生える草を刈って敷くを繰り返すやり方でという意味です。

だいたい一年目はサツマイモや、豆類、根菜類などの作りやすいものから始めて、土の状態に合わせて作物を年々変えていきます。

 

ただ耕作放棄地など長年耕作されていなかったところは、比較的これよりも早くできると思います。

 

実体験としては

実体験としても、耕作放棄地を開墾したところは一年目からよくできました

ただ、土作りとは少し話が変わりますが、ここの畑の三分の一くらいは2年目にチガヤという草が急に茂りだし、その部分は野菜がとても作りにくくなりました。

これは僕が草刈機で地表を何回も刈っていたために、成長点が根元にあるチガヤのみが生きやすい環境を作ってしまったことが一つ原因にあると思います。

面積が広くて、手で刈るのが億劫だったので、時間がないときは草刈機をよく使っていました。

よって管理の仕方によっても、土のでき方、畑としてのでき方のスピードは変わってくると思います。

 

今まで耕作していたところは逆に、一年目は残留肥料によってよくできたけれども、二年目三年目にあまりできず、四年目あたりからまたできるようになってくるという話も聞きます。 

 

実体験としては、有機農法で長年使用していた土地では、一年目は確かに思っていたよりよくできました。

ただ作物の成長スピードは有機肥料を入れている場合よりも遅かったです。

特に茄子のような大型の多年草は顕著に初期生育が遅く、途中からは急激に大きくなりました。

初期段階は肥料分が少ないので、根を伸ばすのに時間をかけているのかもしれません。

これが本来の生育の仕方という可能性もあるなと思っています。

この畑の場合は、三年目に急激に土の団粒化が進み、ある程度理想の土の状態になってきていました。

2〜3年目は全然野菜ができなくなるとまで言われたこともありましたが、ここの場合はそんなことはなかったです。

 

次回予告

 今回はとりあえず以上で、

次回は時間をかけて何が土の中で行われているのか。

この土作りの時間を短縮するにはどうしたら良いのか考察していきたいと思います。